こちらも,リスク管理の問題かも。

トランプ政権の登場とNAFTAの再交渉,イギリスのEU離脱の動きなど,「想定外」の経営環境の変化に対し,メキシコやカナダ,イギリスに進出した日系企業の対応も注目されます。

 

基本的には,アメリカ市場やEUへの進出を目的として,もろもろの貿易規制を回避したり,メリットを享受するために生産拠点を日本から関係国に移転して,国内経済を空洞化させた経営判断があったわけですが,「そんなことは起ころうはずがない」ことが,次々と現実になっています。

その意味では,海外移転のあり方も,ぜひとも見直してほしいものです。ジャパンファーストとまでは言いませんが,地方経済の衰退と人材不足の今となっては,もはや手遅れ感はあります。

「全道停電は人災」,クールに言えば,「お互い様」。

生産拠点を集約して,人材と経営資源を効率的な(最新の)生産手段に集中投入することによって,生産性を上げることができますね。非効率な時代遅れの生産手段をスクラップにすることは,理にかなっています。

ただ,生産性の向上とリスク管理は,時として相反する行動を要請します。集約や経営資源の集中投入は,将来の不確実性に対する備えを要求するという意味で,ハイリスクハイリターンであり,残念ながら,北電さんは,この「選択と集中」のリスク面を忘れていた,という批判も,間違いではありません。

と,この「選択と集中」は,とりあえず短期的な収益を上げたい経営者には魅力的で,どこの事業者もやっていることではあります。電気事業者が,発電所を1か所しかもっていなかった,ということと,他の事業者が,送電線1本に頼って生産活動を行っていた,ということは,目先の利益のために,冗長化によるリスクの分散をお忘れになってしまった,という意味ではかわりありません。

どちらか一方がこけても,飛び続けられる,飛行機はリスク管理のお手本です。

当事務所でも,人様のことを偉そうにあれこれ言える立場にはなく,ホームセンターで発電機を買ってこようと思いますが,これもガソリンがないと役に立ちません。

停電の夜の稚内の「夜景」

町中が暗いと,ひときわ光彩を放つ,「夜景」。

しかも,出漁準備中,とあって,全点灯です。

ちょっと,分けていただけると,助かったんですけどねえ。

「ブラックアウト」の経緯については,国の第三者委員会で検討,これに「対抗」して,北電も検証委員会を設置,と,専門家を交えてしっかり検証してください,と申し上げたいところですが,最初の一撃で,電力の需給バランスを保つために電気を「切られた」(そもそも切られることになっていた)道北としては,「その後」の対応云々を検証されても,正直,あまりいい気分にはなりません。

それに,太陽光はともかく(夜中ですから。),道北の海岸部にはあれだけある風力発電が,少なくとも,ああいう停電時には役に立たなかったのでは(あれ,全部自家発電用なんでしょうか?),平時の,化石燃料の消費を抑えることはできても,非常用電源としては無力(風力発電は,風車の回転の最初に,電力を必要とする,つまり,全電力喪失状態では,停まっている風車を動かせない。)ということになり,なんのための「発電」設備なのか,首をかしげざるを得ません。

冬場の電力は,確保できるのでしょうか。

暖房は,ストーブですが,主流のFFタイプは電気がないと動きません。

外気がマイナス10くらいに落ちたときに,電気は使えず,暖房はなし,コンビニはカラで,ガソリンスタンドは大行列,おまけに,吹雪で「ホワイトアウト」して,前も横も見えない状況が重なったら(吹雪いて横が見えないと,路肩に転落するのです。),事故になっても,救急にもレスキューにも来てもらえないかもしれません。

そういえば,最近は,昔ながらの電池やマッチで点火する石油ストーブが売れているそうですが,筆者が見る限り,北海道の人には,「1時間ごとに換気」する習慣がないようです(そもそも,外が強風で吹雪いていたら,窓まで雪が積もっていたら,開けられませんでしょ?よくある「24時間換気」は電気を必要とします。)。石油ストーブがあっても,気密性の高い北方型住宅の中で部屋は,一酸化炭素が充満する危険が高いのは自明です。

FF式で,給排気口が壁から出ているストーブは固定式ですが,普通の石油ストーブは,持ち運びができます。つまり,倒れて,火が出る危険もあります。

筆者は,北海道に来た当初,家の外にある石油タンクから自動的に給油されるシステムに驚嘆した方ですが,これまた普通の石油ストーブは,灯油缶の近くにいって自分で給油することになります。以前,ストーブの火を消さないで(消すと冷えるので。),石油を入れようとして,火事を出した人の刑事裁判を担当したことがありますが,隣人がそういう行動にでない保証はありますでしょうか。

販売店も「売れています」など,無責任なことを言うだけで,実際,石油ストーブになれていない人たちに,その「使い方」をきちんと説明しているようには思えません。

今回,道北は震源からは遠かったため,送電設備という「ハード」への損傷はなかったと聞いていますが,猛吹雪で,送電線のトラブル,というのは,昔はよくあったそうです。最近の送電設備はよくなったそうですが,発電所のない旭川以北の住民の生活と生命,安全は,文字通り,送電線という「ライフライン」に依存しています。

電力の需給バランスが崩れる時に,全道的「ブラックアウト」を避けるために,最初に問答無用で「切られる」道北住民としては,ぜひ,厳冬期の寒冷地における停電時の危機管理を(冬の気象状況は人間がコントロールできるものではありません。),無理です(だから,考えない),ではなく,まじめに考えてもらいたいと思います。電力の喪失,交通安全や医療設備等の社会的機能の消失というブラックアウトのリスクが,冬の気象状況によって,低温(凍死),火災,CO中毒,吹雪による交通障害(ホワイトアウト)による救援活動の遅れ,の同時多発リスクに増大(拡大)するわけで,国や北電が,この事態をちゃんとマネージできないのなら,ロシアからも電気を買う,という例の話の方が,よっぽどましだ,ということになります。

きれいな夕陽を見たのは何年ぶりか。。。

ここはイギリスか,と思うくらい一年中曇りの天気が続いているここ数年,たまに晴れても,仕事にはまっていたりと,丘の上から夕陽を拝むことなどなかったのですが,日が長いと,仕事が終わってからも十分に間に合います。