旭川市内のバス事情

 

 

稚内の裁判所は,正式には旭川地方裁判所稚内支部,つまり本庁は旭川になりますので,もろもろ仕事の関係で旭川に出向いていく必要があります。また,筆者の所属弁護士会は旭川弁護士会ですので,弁護士会に用があれば,旭川に出向くことになります。

 

JRで旭川駅につきますと,裁判所や弁護士会はJR旭川駅からはちょっと離れた場所にありますので,歩いてはいけません。当然,バスかタクシー,ということになりますが,旭川のバス会社さんには誠に申し訳ないのですが,遠隔地から旭川を訪れる人にとって,

 

旭川のバス事情は最悪

 

というか,正確に言えば,

 

全くわからない

 

のです。

 

はじめての人でも,なんとか自分の行きたいところに行ける,そういう,ある意味基本的なquality of serviceに関し,旭川のバスシステムは一切無関心のようです。市内のバス停には,行き先と発車時刻が細かく記載された時刻表が貼ってありますが,路線図もなく,運行系統の説明もなく,料金システムの説明もなく,自分の行きたいところに行くには,どのバス停に来るどのバスに乗って,どの停留所で降りればいいのか,運賃はいくらか,小銭を用意しなくていいのか,PASUMOは使えるのか,旅行者の疑問に答える情報は,何もありません。仕方なく,毎回,バス会社の営業所で聞いている始末で,だんだんいやになります。

 

会員制の特殊サービスならいざ知らず,公共サービスにおいては,利便性,経済性に加えて,利用者に特殊の前提を要求しない一般性,そういったfactorは極めて重要です。地域住民の通勤通学や買い物需要だけを想定する場合には路線図や料金表を各停留所に準備する必要もないのかもしれませんが,外からの訪問者(「よそ者」)は最寄りのバス停も知りませんし,バスの運行系統も知りません。「よそ者」の不便など知ったことではない,ということは,「よそ者」お断り,に等しいポリシーですが,ちなみに,観光客も「よそ者」です。

 

「よそ者」目線は,サービスのあり方に限らず,人が自身の活動を再検証する上にで不可欠ですし,とりもなおさず,生活のqualityを高めたり,発展させることにつながります。異質的な目線を欠き,「よそ者」の利便性に対する関心を欠く社会やシステムは,発展性を欠くことことをストレートに意味します。決して,規模や人口,経済力だけがすべてではありません。

 

筆者は,別段旭川に対し「郷土愛」的ごひいき感を持ちませんが,そうしたクールな目線からは,確かに駅は立派になりましたが,まだまだ,古き良き「ムラ」の風景の中に安眠しているように見えます。