
NY市長に「失敗例」と言われてしまった北海道。ただ,中国から来た第1波はほぼほぼ封じ込めに成功したものの,武漢から発したウイルスが変異して欧州や北米で感染爆発を起こし,その変異ウイルスが3月中旬までに海外からの帰国者により持ち込まれて国内に流入したものが,大都市経由で北海道に感染拡大した,と言われています。人の密集の排除と交通の遮断のうち,後者は国の責任です。欧米で感染爆発が発生したことがわかっていながら,すみやかに入国制限の措置をとらなかったとか,都市部から地方への人の移動を制限しなかったとか,そういう問題ですので,知事にはお気の毒な話です。
「終息」と言う場合,文字どおり「終わる」という意味ですが,「収束」は,「ある一定の状態に落ち着く」という意味になっています(数学では,無限大に発散するわけではなく,ある極限値に限りなく近づくことを意味します。)。つまり,ゼロになる(終わる)わけではない(感染者数はゼロにならない?第2波,第3波がくる?),のが前提です。
「緊急事態収束の一ヶ月」というのも,残念ながら感染拡大を食い止められませんでした,ウィルスを封じ込めることはできなくなりました,不愉快な相手でもうまく付き合っていけるように,今後は,人間の方でその生き方を変えてください,と,国民に現実を見据えた覚悟を求めたようにも聞こえます。
かといって,では,どうすればいいのか,それは,ウィルスに聞くしかありません。
札幌の保健所長さんによれば,「まだまだ厳しい状況が続いている。(感染者数が)高止まりになっている。減少を見込めるデータは持ち合わせていない」にもかかわらず,札幌の休業要請は,15日まで,期限を切ったらしいです。これ以上は,むり,犠牲が出るのも仕方がない,という方向に道は,舵を切ったのでしょう。こういう厳しい現実を,はっきり言うのが政治家の役目のはずですが。あとは,自分で防衛するしかありません。