単純に,接触の機会が減れば感染の機会も減る,ということが実証されているのかもしれません。中国が封じ込みに成功した,と言っているのも,結局は,都市の封鎖という「強行手段」と無縁ではないでしょう。
大騒ぎして法改正した新型インフルエンザ等特措法ですが,いまのところ,「ギリギリ」「瀬戸際」ではありますが,緊急事態宣言を出しには至っていない,つまり,「全国的に蔓延」しているわけではないということのようです。
緊急事態宣言を出すほどではありませんが,医療の崩壊を防ぐために,外出は自粛をお願いします,というのも,わかりにくい話です。歌舞伎町で飲んでいるオヤジが,「人任せ。禁止なら禁止と言ってくれれば従う。」と,どちらが人任せなのかわからない言い訳をしていましたが,一方で,お願いはしますが,あくまでお願いですので,ご判断にお任せします(政府に責任をとれと言われても困ります?),というの,このオヤジと同じくらい人任せで,国として情けない話です。
医療の崩壊を防ぐ,と言う意味では,現場がもう緊急事態,と言っているのに,政治が「いやいや,まだまだ」と消極的なのは,意味がわかりません。外出禁止令を出して強行に封じ込めを図っている欧米や中国と違い,特措法に基づく緊急事態宣言といっても,もともと,大変失礼ながら,たいしたことができるわけではないように思うのですが,そうすると,むしろ,これから医療の崩壊の危険が大きいのは,ツールの限られた日本ではないかと思うのですが,大丈夫なんでしょうか。

北海道内は,東京ほどには感染者数は増加していないようですので,東京等の大都市圏を差し置いて北海道に緊急事態宣言がでる可能性は低いはずです。ただ,例えば,稚内などでは,感染病床が4床で,医療従事者の数も少なく,「崩壊」は,こうした医療のキャパとの相関関係だと思うのですが,今でも,感染症対応に当たっている市立札幌病院の関係者は不眠不休だそうですから,感染者がさらに増えたときに,果たして北海道の医療態勢が「保つ」のか,そうした不安は,一向に消えません。