なにしろ,驚いたのは休みの日の小湊鉄道の混みようで,2両編成の長椅子がほぼ埋まっている状態ですから,明らかに,宗谷線よりも人が乗っています。
鉄道ファンが来ても一過性で,収益改善につながらない(からだめだ),という理由で,とにかく鉄道そのものを観光資源にしようという発想が皆無(あるいは,せっかくの観光資源をやめてしまったり,冷や水をぶっかけたり,と。)の北海道ですが,この千葉県の非電化ローカル線では,訪れる人はそれぞれに目的をお持ちですが,共通していることは,この「ローカル線」感自体を楽しんでいる,ということです。
「老」という意味では,昭和30年代の車両が走っているこのローカル線はほぼ奇跡に近い存在ですが,筆者は,この「~からだめだ」論者こそが老害ではないかと思っています。ダメな理由を探すことに知力を費やすのであれば,いっそのこと,社内では,「それはいい。実現しよう。」しか言わせない,逆に,「だめだ」論者は,つまりその企業,ポストにいる意味はないわけですから,即,降格,免職,くらいで十分だと思います。
北海道のステイクホールダー(?)さんたちの,札幌ファースト,地方ナッシングは今に始まったことではないですが,だたでさえ,札幌直通の特急が1往復だけになってしまった宗谷線などの地方ローカル線のあつかいなどは,どうなるのでしょうか。。(新幹線様のホームを増設するために)2本つぶして,1本増やす,ということだと,いくら在来線への乗り継ぎがしやすいから,といって,ホームの数からいえば純減,そのしわ寄せは,当然在来線に行くわけですから,在来線への乗り継ぎの利便性,というわりには,結果的には,飛行機→快速エアポートで来るか,札幌から在来線で道北,道東方面へ行こうというお客さんの利便性は,害されることになります(空港から道東方面へ行こうという場合は,別に札幌など通らなくても,石勝線や道東道経由でダイレクトに帯広,釧路方面に出られます。)。
報道によれば,主たる理由は建設費,ということのようですが,どこかの都市のオリンピック施設建設費問題(一時,あれほど騒がれた問題がどこかに忘れられてしまったようで,日本も,とにかく「官」を槍玉にあげるときは,ことの重要性や客観的な意味合いそっちのけで,反「官」をあおる扇動的な言論が横行する,という点では,お隣の国と変わりありません。)と同じように,ある種の思惑のあるそういう見積もりは,どうにでもなるものです。
皮算用はともかく,そもそも「新幹線」で札幌に入って,そこから在来線を乗り継ぐ本州のお客さんがいったいどのくらいいらっしゃるかは蓋を開けてみなければわかりませんが。