今日の道新の記事ですが,日銀,初のマイナス金利,市中貸出金利の低下と貸し出しの拡大を狙った政策だそうです。
一方で,これも道新の記事ですが,JR北海道では,道内全区間で赤字,また,乗客1日10人以下の駅が,全体の3割(159/453駅)だそうです。稚内~旭川間の宗谷線では,見た感じ,乗客1日10人以下だろう,という駅は珍しくありませんが,事業として成り立っているかどうか,冷静に考えれば,厳しいということになるのでしょう。
金利を下げれば,あるいは,市場にマネーを注入すれば,利子が下がり,あるいは,貸し出しが増えて,というのは,そこに,使う人,借りる人,あるいは,リスクをとって事業をする人や金融機関が存在する,という前提がなければなりたちませんし,原野にいくらお金をまいても何も起きません。マクロ経済学は,極端な人口減少によって市場や社会が消滅の危機に瀕している状況を,全く想定していませんし,そもそも,経済モデルの前提とする仮定が,そうした人口減少社会とは矛盾するものなのですが,なぜか,一度,何かで権威付けがなされると,何の疑いもなくそれによってしまうのは,どうにかしてもらいたいところです。
人口や事業者を増やすのは一朝一夕には行きませんが,金融機関の貸し倒れリスクに対する考え方を改めることは是非とも考えていただきたいし,何より,預金者サイドも,銀行(金融機関)だから安心,安全と言った昔ながらの,今となっては,過度な,要求は放棄すべきでしょう。
とにかく,お経のように「安全,安心」ばかりを言っているようでは,お金も回らないし,経済もよくなるわけがありませんし,貸し出しも増えませんし,期待物価上昇率も増加しませんし,デフレも脱却しません。