仕事ではほとんど行かない道央,空知方面ですが,畑とその野菜は宗谷はもとより,上川(旭川地方)とはまた違った風情があります。

朝4時起きで稚内を出ますと,道央道で岩見沢までおよそ5時間30分の道のりで,さらに1時間ほど,昼前の11時前には長沼です。それほど,早起きしませんと,行列必至だそうです。

夏季限定ですが,さすがファームレストラン(『ハーベスト』)だけあって,トマトソースの冷製パスタはぜっぴんです。

これもファームレストラン,だけあってか,庭には農機具(トラクター?)の残骸ですが,パスタ「並に」魅力的です。メーカーは,もちろん,フォードです。

140628ファームレストランの庭

夕張にも足を伸ばしましたが,旧北炭の鹿ノ谷倶楽部を改装したオーベルジュです。

今は持ち主が変わっていて,外観はともかく,中身に関しては,残念ながら,往事の雰囲気はあまり残っていませんでした。歴史的には,明るい部分も影の部分もあるところですが,産業遺産の一つとして,ぜひとも残していって頂きたいものです。

140629玄関前の木々とそこから降り注ぐ木漏れ日

食事は,もちろん上等です。

 

函館税関稚内税関支署のまとめた5月の外国貿易概況によりますと,活がにの輸入量が激減し,前年比7割減の245トンにとどまったそうです。

結局,ロシア側の取り締まりの強化や金額の問題で,「東アジア圏に流れている可能性がある」と分析されています。 「東アジア圏に流れている」 つまり,日本(稚内とか,紋別とか)に運ばれていた活がにが韓国や中国に運ばれているというころであり,カニの密漁・密輸出防止のための日ロ協定の発効が不透明な中で, 密漁・密輸出防止や資源保護のためには多国間での取り組みが不可欠です ということが裏付けられた結果のようです。

それと,「金額の問題」。つまり,なぜわざわざ燃料代と時間をかけて,近い稚内や紋別ではなく東アジア圏に向かうのか,普通に考えれば,日本でさばくより,韓国,中国に持って行った方が金になる,儲かるということでしょうから,密漁・密輸出自体を防止するためには,多国間(輸入国だけでなく,輸出国を含めた関係国全体)での取り組みは不可欠だ,ということになります。

しかも,法律的にも,船主の所在が明確でなかったり,どこかの国のペーパーカンパニーだったりすることがあるので,カニ取引の当事国(者)以外の関係国(者)もあったりして,事態は複雑です。

カニは,養殖ができないものでしょうか。それほど「東アジア」向けに高値で売れるのなら,誰か考えていただいても良さそうなものですが。

宗谷圏は,花の季節です。 日本海沿いを走る道道脇には,エゾカンゾウやスカシユリが咲いています。サロベツ原生花園の方よりも道沿いの方がきれいに見えます。 風景写真1 筆者は知りませんでしたが,この辺の花もそれなりの知名度で,おそらく関西方面からいらしたと思われる旅行者が,熱心にシャッターを切っておいででした。 風景写真4 地元民にとっては単なる通過点に過ぎないような交差点の周辺ですが,なかなか趣深い風景があるものです。

ようやく,旭川・札幌方面への貴重な「足」である「サロベツ」の運転再開のスケジュールが発表されて,8月になれば昼過ぎに出ても夕方には旭川に着く手段が確保される見通しで,非常に助かります。JR北海道のご苦労には頭が下がります。

弁護士会の用事は夕方5時から,ということが多く,旭川の弁護士先生方は,5時ちょっと前に事務所を出ればいいのですが,ここからはそうはいきません。 夕方の5時からの会議に間に合わせるには,自分で250キロ車を運転していくのであればともかく,JRを使おうとしたら,朝の7時にでなければなりません。 そうすると,旭川到着は11時前ですから,昼をどこぞですませても,莫大な時間が余ることになります。 サロベツが走ってくれると,本当に助かります(欲を言えば,もうちょっと早く着いてくれると助かりますが,それはそれ。贅沢はもうしません。)。

一方,帰りの苦労はというと,不幸にして,あまり変わりません。道内の公共交通機関は札幌中心,かつ,札幌の人が地方に行き,帰ってくることを想定してダイヤが組まれていることが多く,つまり,稚内の人間が旭川に出て,で,仕事を終えて帰ることは想定されていません。 旭川発の稚内方面の最終は19時すぎですから,もし,用事が長引こうものなら,帰りの汽車に間に合いません。結局,往復500キロ,自分でドライブするか,あきらめて泊まるか,の選択ですが,これが一日おきに旭川に用事があったり,次の日に稚内でアポがあり,などというと,消耗します。

江差線などを見ますと,新幹線を通すから,並行在来線は廃止,という現実を見ると,「鉄路があるだけまし」な道北住民としては,いささか複雑な心境です。限られた資金で,「利便性」と「安全性」,「赤字ローカル線の路線維持」をすべて満足することは無理なので,ということで,さしあたって「安全面を優先に」ということのようでもありそうですが,ただ,宗谷線の枕木がコンクリート製になるわけでもなく,さりとて,汽車の本数が増えるでも,スピードが上がるでもありません。結局,例の「高速鉄道」で出費がかさみますので,宗谷線にまわす資金はありません,あしからず,というようにも聞こえます。それって,「利便性」と「安全性」,「公共性」のトレードオフとは別問題(単に,「高速鉄道」か「赤字ローカル線」か,という選択の問題)のように思えるのですが。 ただ,苦労して路線を維持していただいてJRさんには大変感謝してはいますが,それほど,あの「高速鉄道」が必要なのか(誰にとって?),疑問ではあります。稚内の住民が仕事や通院,買い物そのほかで必要性が高いのは首都圏へのダイレクトアクセスではなく,むしろ,都市間バスやこちらの方ですから。

そういえば,過剰設備を抱える石油業界の事業再編を促すため、産業競争力強化法に基づく市場調査が実施される予定だそうで,産競法と聞くだけでぎょっとしますが,石油業界は設備過剰なのに,ガソリンの値段は上がり続け,それって明らかにコストアップ(円安と資源高)が要因で,国内需要が盛り上がっているわけではなく,某格安衣服メーカーも初の値上げとかで(こちらも,原因は円安と人件費),何もかにも,為替と世界市場で日本が買い負けしている中での価格上昇ですから,それを「景気が回復している証拠」と言ってしまって,本当に大丈夫なんでしょうか。

ベンチャー企業と大企業が連携して新規事業を創造する「ベンチャー創造協議会」,後継者不足の企業と創業希望者を橋渡しする「後継者人材バンク」の設置を柱とする政府のベンチャー支援策に期待したいところですが・・・。

為替と財政・金融緩和だけ,と言ってはいいすぎかもしれませんが,結局,円安・輸出だのみの経済政策で本当にだいじょうぶなのか,心もとないところもあるのですが,ようやく,少し,成長戦略,新規産業育成の色合いのある政策がでてきました。

ぜひとも政府に頑張っていただきたいところですが,ただ,大企業と地方の中小企業の論理,ものの考え方を両方見てきた地方弁護士の感覚からすると,何やら,木に竹を接いだような,ありていに言えば,若干グロテスクな匂いもちょっとだけ,感じるところです。

ニッチな,とか,思いがけない,とか,斬新な,とか,そういうベンチャー特有のイノベーションのタネが,「大企業との連携」とか中央官庁のあたまのなかから出てくるのか,非常に懐疑的ではあります(むしろ,大企業的なもの,の反対概念であるようなイメージもありますし。)。

明治の殖産興業,その担い手であった権力と資本の集中,それはむしろ「ベンチャー的なもの」とは相いれない気もしますし,むしろ,大規模非効率,あるいは,画一的でニッチ市場(産業)の実情にあわない「中央的」なものによる手かせ足かせから解放する(規制緩和,というと『抵抗勢力との闘争』という妙な(政治的な)見方がはびこってしまって全くこまったもんですが,時代の流れの中で,だれが将来の経済活動の担い手たりうるか,100年前の古臭い国家像のままでいいんでしょうか,というのがイシューだと思います。),という意味では,地方政策とも相通じるところです。

つまり,こと話が地方の産業活性化の脈絡で語られる場合には,ベンチャーや中小企業の側も,

中央政府や本社(東京)からの介入はご遠慮ください

という確固たるポリシー(というか,覚悟)がないと,新事業を立ち上げるのか,新事業のための補助金を頂くのが目的なのか(補助金にエントリーするために身の丈に合わない設備投資で残るのは負担だけ。)わからない,一方で,支援する方も「実績」を作るためだけに,支援の必要のない「しっかりとした事業」にしか目を向けない,誰のための何を目的とした施策なのかピンとこない,そういえばどこかで聞いたことあるようなおかしな話ばっかりになりそうです。

旭川からの帰り道,だいたいできるだけ早く通過しようとアクセルを踏み込むところで,普段は国道の風景しか見ませんが,たまに,ちょっと国道(幹線道路)を離れると,広くてゆったりした感じの風景が,いろいろあります。国道(幹線道路)でアクセルを踏み込んでぶっ飛ばすのが中央的な経済活動であるなら,幹線道路からちょっと外れて見渡すと,過去や政府によるしがらみを排除する一方で,身の丈にあった規模(コスト)と創意工夫で勝負すべき「ベンチャー」「地方」的なものの本来あるべき姿がクリアーに見えるものです。

フェーン現象で気温の上がったらしい大陸の高温の空気が道内に吹き込んで,北海道では記録的「猛暑」となっており,旭川では33度,稚内でも夏日を記録しています。とはいえ,例によって,当事務所もそうですが,稚内ではクーラーをあまり用いない(平年の気温であれば使う必要がない)ので,夏は夏で,なかなか疲れます。

普通,冬時になりますと吹雪で前が見えにくい難所が多い兜沼から勇知周辺の道路ですが,夏場は,きれいな牧草地が続きます。汽車に乗っていますとあっという間に通り過ぎる,といいますか,朝の特急は出発が7時なので,すぐ寝てしまい,車窓を楽しむ余裕がない(夜の特急は,23時ちょっと前に通過するような箇所なので,当然,車窓は真っ暗)ところですので,車で通りますと,改めてその牧歌的風景に気づかされます。

 

この風景だけを切り取りますと,なかなかの風情を感じるところで,幾重にも連なる丘陵と牧草地は,日本国内ではあまり例がない,むしろ,ヨーロッパ的な香りすら感じられる風景として十分に観光資源足りうると筆者は考えておりますが,現実には,宗谷丘陵や豊富の大規模草地は,観光資源ではなく,牧草地としての機能しか果たしていません。

観光資源としての「風景」は,そこにあるもの自体が経済的価値を生む資源となり,バカ高い鉄塔や,毎年のように作られる新しいアトラクションやテナントのために巨額の投資を要することはありません。さはさりながら,今そこにあるものだけで人が高額な交通費と宿泊費をかけてまで足を運んでくれることを期待するのもなかなか難しい,というのも一方の現実でして,人を呼ぶ「仕掛け」も,また商業的には重要にはなります。

たまたま川の一部をせき止めて出来た人口の水たまりが,某航空会社の写真で採用(紹介)されたことから「青い池」として有名な観光地になりました(実際の色は,というと,それほどきれいに青が出ているわけではありませんが・・・)。

そういう意味では,たとえば,こうした風景のイメージとは相容れない人工物,たとえば,送電線や電話線などは地中に隠す,くらいのことはしてもいいでしょうし,メルヘンチックな印象をぶちこわしかねない朽ち果てた廃屋などは速やかに撤去してきれいな「牧草地」としての統一感を維持することも大事です。

都会の人は,そうした「イメージ」にひかれて,大金をはたいて来てくれることを忘れると,観光地ははやりません。