近所のお店の方ですが,こんなのがファックスで送られてきたのですが,と,やや慌てた様子で当事務所にかけこんでいらっしゃいました。 よく見ますと,差出人はもちろん,宛先も,そのお店ではありません。ただ,送信先のファックス番号だけは,そのお店のファックス番号でした(当たり前ですが)。
単純なファックスの誤送信ですが,発信者が「ご同業」でしたので,そのお店も驚かれたのだと思い,とりあえず,(推測される)事情をお話しして,まあ,そういうことらしいので,特に心配する必要はないです,といってお帰りいただきました。
内容は事務的なもので,誤送信されても,それほど実害のあるようなものではありませんでしたが,ただ,「誤送信」自体が,感心しません。特に実害がなければいいでしょう,というわけではありませんし。 そういうところ,普通の会社さんのほうが神経質です。
以前,うちで扱っている案件で,相手方の会社さんがファックスを「誤送信」されまして,たまたま,送信先が気の利く方で,お宅宛のファックスがうちに届いてますよ,とご連絡をくださり,慌てて取りに行ったことがありますが,当の送信元の会社さんは,事の次第をお話すると,慌てて,えらい方が,数百キロの道のりを,それこそ「すっ飛んで」こられました。
何か事があると,そのこと自体よりも,その後処理のほうが重要だったりすることが多いものですが,「過ち」にも,敏感に反応して,すぐに必要な対応をされるのは,当たり前だ,と言ってしまえばそうですが,なかなかできることではありません。 いわんや,弁護士の扱う文書の類は,個人情報,信用情報満載の秘密文書で,そもそもファックスで送ることもはばかられる場合が多いものですが(まずは,先方に電話して,今から送りますんで,担当の方がファックス機の前で待っていてください,くらいなことはしても罰は当たりませんが。),その送信元の「ご同業」はといえば,それほど実質的な秘密情報ではなく,すこぶる事務的なものだったから,なのでしょうが, そうですか。失礼しました。 で,終わりでした。
たぶん,メールにしろ,ファックスにしろ,「誤送信」といえば,発信してしまった以上取り返しがつかない,顔面蒼白,で慌てふためく,が通り相場ですが,日常使う送信先としてファックス機に登録してるような宛先でしたので,もし,そのまま放置していれば次回はなかなか厳しいことになるかもしれず,そういう危機感は,あまりないというか,それが普通なんでしょうか。
ちなみに,それ,確かに事務的な内容ですが,当事者の名前が明記されています。 「送信して(言って,やって)しまうと取り返しがつかない」のは,政治の世界ではもっと深刻な事態を招きますが,確かに,ご自身のお考えはお考えとして,ただ,それをあえて今やりますかね(言いますかね)ということで,いらぬ波風を立てる,立った以上,元に戻すことは出ません。あとで,プライベートなすし屋の食事で良好な同盟関係を印象付ける,って言ったって,なにやらわざとらしい演出(指導者のカリスマ性を演出するどこかのお国のこと,言えますかね。)にしか見えませんでしょう。言動の効果について,あえて物議をかもしたいのか,何も起きないとたかをくくっていたのか,あるいは,「思いもよりませんでした」なのか,実際のところはわかりませんが,いずれにしろ,もし,意図的ならば,危険なゲームです。