年末年始のお休みについて

 

当事務所は,下記のとおり,年末年始をお休みを頂戴いたします。

来年もまた,よろしくお願い申し上げます。

 

             記

 

年末年始の休業  平成23年12月30日 ~ 平成24年1月3日

 

年始は,1月4日から,通常通り執務をいたします。

 

稚内桟橋驛復活プロジェクトとオムライス

21日の日刊宗谷ですが,「かつて稚内港北防波堤ドームで,稚泊連絡線の乗換駅として栄えた“幻の最北端駅”稚内桟橋驛を復活させる取り組みが,いま東京を拠点に活躍するプロカメラマンを中心に有志らの手によって動き始めている。実現に関しては,線路延長などクリアすべき諸問題も多いが,稚内の新たな観光名所として,伸び悩む道北観光への大きなヒントとなりそう」という記事が出ていました(一部,改変させていただきました。)。

稚内桟橋驛は,防波堤にあったかつての稚泊連絡航路の出発駅(連絡駅)で,今は北防波堤ドームだけが復元されて残っています。筆者は,旧国鉄の連絡船と言えば,青函連絡船,宇高連絡線,くらいしか思い浮かびませんが,樺太の南半分が日本領であった戦前,稚内と大泊(現コルサコフ)との間に鉄道連絡船がありまして,その北海道側の玄関が,その稚内桟橋驛であったそうです。

晴れた日にはサハリンの島影が見える稚内ですが,稚泊連絡航路では,冬季の結氷時にも航路を維持するため,砕氷船が用いられたそうです。たしかに,宗谷岬の売店には,「流氷館」といって,昔に漂着した流氷を冷凍庫で保管しています。ちなみに,宗谷岬は日本の最北端ですが,流氷の源といわれるアムール河からサハリンの北端を迂回してはるばるやってくる流氷は,南下して北海道にぶち当たるところが,ちょうど紋別とか,網走あたりです。宗谷岬に来る流氷は,おそらく,そこから二またにわかれて,オホーツク沿岸を北上してくるものであろうと推測いたしますが,最近,少なくとも,筆者は稚内で流氷を見たことはありません。さすがに,最近は,ここまでやってくるほどの量ではないようです。

が,一見すると流氷と見間違えるのですが,海は凍るところがあります。当然,湖なんぞは凍ってます。水道なんかも,油断すると凍ります。さすがに,砕氷船が必要なところはなさそうですが,最近の宗谷海峡は荒々しいので(そういえば,数日前に,稚内の北東の沖で,カンボジア船籍の貨物船が遭難,というニュースがありました。),船酔いの方が心配です。筆者は,情けないことに,港で船が上下しているのを見るだけで気分が悪くなるのですが,よく出張で利尻・礼文島に行くため,酔い止め薬は常に携帯しております。

稚内桟橋驛とはあまり関係ありませんが,最近,当事務所の近所で開店されたレストランがあります(“Restaurant if”)。看板にはオムライスとあるので,オムライス専門店かと思いましたが,もちろんオムライスがメインではありますが,ディナーメニューはいろいろあります。

 

先の日刊宗谷の記事では,復活させる稚内桟橋驛は,「当時のオリジナリティー溢れる『昭和モダン』な雰囲気をそのまま残した作りになる予定」とのことですが,オムライス,もまた,なにやら昭和モダンの香りがします。

 

千葉県印旛郡本埜村-今は印西市

スカイマークの旭川-成田便が就航したのを機に,千葉に帰ってきました。

筆者が以前住んでいた千葉県本埜村(もとのむら)は,合併によって,いまは千葉県印西市の一部になっています。

 

千葉ニュータウン,というように,千葉県企業庁および都市再生機構(UR都市機構)により共同開発された地区ですが,大規模商業施設が並んでいます。

 

なかでも,ジョイフル本田千葉ニュータウン店は,筆者行きつけのホームセンターで,品揃えは玄人仕様,筆者も,ここで調達した材料でウッドデッキや,2×4工法の(!)物置を作りました。毎年,実家に戻りますと,まず何を置いても,ジョイフルです。今回は,空港から直行しました。

 

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そうかと思うと,旧本埜村には,なかなか趣深いところがあります。

そのスジの人には有名な,そば処「川上」さんです。

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昔から,ここのキノコ汁せいろが好物で,よく行きました。

昼時はすこぶる混みます。駐車場も少ないので,競争状態です。

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本格的な除雪が始まった当地に比べれば千葉県は温暖(?)です。

成田スカイアクセスも開通し,人口も増え,以前は原野状態であった土地が,次々と造成,宅地開発され,新しい道路が次々と開通しています。

 

そういえば,NHKで「坂の上の雲」の第3部が始まりました。

第三軍による旅順総攻撃のシーンは豊富町の大規模草地牧場及び落合地区で撮影されたものです。

 

明治37年12月4日早朝から203高地攻撃を開始、旭川第7師団は,翌5日9時までに突撃を準備し,決死隊を4回にわけて203高地西南角に向かって突撃させ,歩兵27連隊の一中隊,歩兵28連隊の二中隊,歩兵25連隊の一小隊,工兵5大隊の大部を逐次攀登させ,西南角を占領。その後,東北角も陥落させて,午後4時ころ203高地を占領した,そうです。

 

原発事故による「風評被害」の損害賠償-相当因果関係

 

 

典型的には,事件,事故,災害,根拠のない報道,噂話などによって、本来は直接関係の無い他の人達に財産的,精神的損害が発生する場合を意味するものと言われています。原子力発電所の事故にともなう農産物や畜産物,海産物などについて風評被害が報じられていますが,「風評被害」に対する損害賠償を巡る議論は,過去にもなされています。

 

原子力損害に関するリーディングケースとして,原子力発電所からの放射性物質流出事故に関する名古屋高裁金沢支判平成1.5.17がありますが,これは,敦賀湾内の浦底湾に放射性物質が漏出した結果,金沢産の海産物に風評被害が及んだとしてその損害の賠償を求める訴えが提起されたものです。一審では請求が棄却され,原告が控訴しました。控訴審でも控訴は棄却されましたが,判決内容を見ると,風評被害に対して法的保護の対象となる範囲についての考え方が,抽象的にではありますが,示されています。

 

すなわち同判決は,原告(控訴人)の売上の減少と本件事故との因果関係について,「本件事故の発生とその公表及び報道を契機として、敦賀産の魚介類の価格が暴落し、取引量の低迷する現象が生じたものであるところ、敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害」であるとした上で,「一部売上減少が生じたことが窺われるが、敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難」く,「したがって、右控訴人らの売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもとで、常に同様の状態になるとは言い難く、また一般的に予見可能性があったともいえない(以上,下線筆者)。すると、本件浦底湾における人体に影響のない微量の放射能漏れと敦賀の消費者の金沢産魚介類の買い控えとの間には、相当因果関係はないというべきである」としています。

 

不法行為に基づく損害賠償の範囲に関しては,民法416条が類推適用され,特別の事情によって生じた損害については,加害者において,右事情を予見しまたは予見することを得べかりしときにかぎり」賠償範囲に含まれる,とするのが判例(最一小判昭和48.6.7)ですが,上記名古屋高裁金沢支判は,このロジックにしたがい,放射能漏れとの地理的関係に着目し(敦賀湾,という地理的範囲で区別),同一の条件下で同様の買い控え,購買抑制行動が市場全体に及ぶことが是認できる場合には,通常損害として特別の予見可能性は不要であり,一方,市場におけるこうした行動が消費者の主観的な心理状況,心情的な判断によるものと見られる場合には,特別損害として,予見可能性がない限り因果関係を認めない,という内容です。

 

この考え方は,その後の下級審でも採用されるところとなっており,軽水炉低濃縮ウラン再転換工場において発生した臨界事故が大きく報道され,茨城県産の納豆製品の売上げが風評被害によって減少したとされる事案(東京地判平成18.4.19)で,本件臨界事故が死傷者を出した重大なものであり,事故直後からマスコミで大々的に取り上げられていたこと等からも,「事故現場から10キロメートル圏内の屋内退避要請地域にある本社工場を「生産者」と表示した原告の納豆製品の危険性を懸念して,これを敬遠し,取扱いを避けようとする心理は,一般に是認できる」として相当因果関係を認めています。

 

?ここでは,原告の納豆製品が,「生産者」のみを表示することとされており,消費者には当該製品がどこで製造されたのかが明らかでないため,上記心理が全国的に広がったとしてもやむを得ないこと,が指摘されています。

 

つまり,同一条件下において市場において消費者が同一の購買抑制をすることが一般的に是認できるかどうか,また,消費者の主観的,心情的な要素から抑制行動に出ている場合(たとえば,消費者が根拠の無い噂に惑わされて心情的に行動しているケース,等)には通常損害とは認められず,特別の予見可能性が立証されない限り,因果関係は認められない,ということかと思われます。

 

ただ,実際にどこまでが消費者心理として「一般的に是認」される範囲かどうかは,それほど簡単に割り切れるものではなく,事故の内容や規模,漏出した放射性物質の特性,漏出原因・経路,損害を受けた商品の内容(経口摂取された場合の人体に対する影響),海流や風向き等々の自然的要素,さらには,事故の内容や健康への影響などについての政府その他関係機関の調査や発表(いわゆる「安全宣言」)などについて,どういうかたちで報道され,消費者に理解されていたか,検討する必要がありそうです。

 

ちなみに,後者の東京地判ですが,本件事故後,「消費者及び販売店の双方から,原告の納豆製品の安全性について多数の問い合わせを受け,電話対応や,取引停止,返品,納入拒否等の対応に追われたほか,本件臨界事故の翌日,原告の納豆製品について放射能汚染が認められない旨の証明書を取るために奔走し,その旨の証明書を入手した上,これを全国の販売店にファクシミリで送付するなどして,販売店に対する取引停止の解除や納品の促進を図るために多大な労力や時間を費やしたことなどが認められ,また,原告自身の故意,過失等とは無縁の本件臨界事故によって売上減少を余儀なくされたことから,社内の志気等にも,少なからぬ影響を受けたことが認められる」ことなどから,500万円の慰謝料も認められています。