新規開店2連発 ―― 「べこちち」さんと「六花の丘茶寮」【稚内食事情】

 

旭川への出張の帰りに見つけたお店で,牧場直営のソフトクリーム&チーズ工房の「べこちち」さんです。

9月に開店のお店で,天塩町に入ってから中川町まで,延々,牧草地と天塩川が続く単純な風景ですが,ちょっとしたアクセントが出来ました。

早速ソフトクリームを頂きましたが,かみさんにいわせると,あの,興部の濃厚ソフトクリームに負けず劣らない,絶品だそうです。

さけーるチーズは,別海町の「牛乳屋さん」に負けず劣らない,すっきりしたいいお味です。

 

 

もって歩く間に若干かたちが崩れましたが,味はかわりません。

場所は,国道40号線を,稚内方面から下りますと,雄信内のトンネルを過ぎて2-3分走ったところです。サロベツの「レティエ」はジェラートのお店ですが,こちらは,「べこちち」は,どっぷり,ソフトクリームです。

さて,もう一件は,先週開店の「六花の丘茶寮」です。最近まで市内でギャラリーと呉服屋さんを営んでおられた方が,市内上勇知に新たにオープンしたカフェ&ギャラリーのお店です。

 

レンガ作りの農家をリフォームしたお店は,しゃれた居心地のよい作りで,上勇知の風景に溶け込んでいます。お料理の方は,これまたシンプルですが飽きの来ないよいお味です。

道北は,最近,なんとかバトルとか,イベントがニュースになることはあっても,こういう,小粒ですが味のあるお店の情報がなかなか外に出ないので,非常にもったいないです。

もし,稚内周辺の方はもちろん,稚内方面に出張などの際は,是非,立ち寄って頂きたいお店です。

 

反社会的勢力の排除 ―― 暴力団排除条例【一般企業法務・コンプライアンス】

 

 

某有名タレントの例ではないですが,興業ビジネスの世界では,なかなか,ヤミ社会との関係を断ち切るのは難しいのでしょうか。今年10月1日に施行予定の「東京都暴力団排除条例」では,基本理念として,「暴力団を恐れない,暴力団に資金提供しない,暴力団を利用しない」という,いわゆる「暴力団三ない運動」に加え,「暴力団と交際しない」という新たな理念を設けているそうです。

 

ちなみに,北海道暴力団の排除の推進に関する条例3条を見ますと,「暴力団を恐れないこと、暴力団に対して資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として」とあって,暴力団との交際については,特に明示的には触れられていません。この点をどう考えるかは微妙ですが,資金提供や利用に至らない「交際」程度なら許容範囲,という趣旨ではなく,「基本として」という文脈から,反社会的勢力排除の趣旨にもとる場合には,「交際」も当然問題視されうるものと考えられます。

 

他方,対象範囲ですが,北海道暴力団の排除の推進に関する条例では,暴力団,暴力団員,暴力団関係事業者,などがあげられています。もともとは,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律にそのルーツがあります。

 

今日では,「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申し合わせ)」に基づき、広く「暴力団」「暴力団員」だけでなく、フロント企業(暴力団関係企業)、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等その他の反社会的勢力を排除対象とするのが一般的ですが,全銀協から公表されている銀行取引約定書に盛り込むべき暴力団排除条項参考例では,暴力団員等について,「暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者」と定義されています。

 

さて,北海道暴力団の排除の推進に関する条例で,事業者が講ずべき措置として,「暴力団利用行為等の禁止」,「利益供与の禁止」,その他,「契約時における措置」として,事業者は、その行う事業に係る取引が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなるものである疑いがあると認めるときは、当該取引の相手方が暴力団員でないことを確認するための必要な措置を講ずるよう努めるものとされ(16条1項),具体的には、その行う事業に関して書面で契約を締結するときは、当該契約の書面により,相手方に対し,「暴力団員でないこと。」を表明確約させ,「当該契約の相手方が暴力団員であることが判明したときは、事業者が催告をすることなく当該契約を解除することができる」内容とするよう努めること,が規定されています(16条2項)。16条1項,同2項などを見ると,いずれも「努める」と努力義務になっているのですが,その趣旨は不明です。確かに,窓口やビジネスの相手方に,「ところで,念のためにお聞きしますが,貴社は暴力団関係企業ではないですよね?」と聞く,というのも実に失敬な話で,それで大事な商談がパーになれば元も子もない,ということなのかもしれませんが,規制法(条例)が「努力義務」のオンパレードだと,「本当にやる気があるのかね?」と思わざるを得ません。

 

ただ,規制法(条例)の内容はともかく,先の某有名タレントの例を見るまでもなく,世間では,反社については,一切の遮断を求められます。会社の締結している契約関係で,こうした暴排条項や表明確約条項の内容や運用が尻抜けになっていますと,もちろん,問題が発覚した時に世間様からこっぴどくたたかれることとなるほか(レピュテーション),今後は,道内の中小企業であっても,株式譲渡や事業譲渡その他のMA取引の対象となる機会は益々増えるのではないかと思われますので,そうしますと,企業のリスクとして相手に,これまたこっぴどく買いたたかれることにもなりかねず,巡り巡って自分で自分の首を絞めることにもなります。

ロシア軍艦20隻が通過 ?? 宗谷海峡【私的「国際情勢」・ロシアビジネス】

 

報道によれば、10日、ロシアの海軍艦艇20隻が宗谷海峡を通過、9日午後4時ごろに4隻、8~10時に20隻が通過後、オホーツク海を北東に進んだのが確認されており、計24隻のロシア艦艇が宗谷海峡を通過したのは過去最大規模、巡洋艦や駆逐艦のほか、潜水艦救難艦も加わっており、潜水艦も近海に展開、同国はカムチャツカ半島東側など3カ所に訓練海域を設定し、大規模演習を行う予定で、3隻の戦車揚陸艦も含まれているため、海兵隊の上陸訓練(北海道への上陸を想定した上陸演習?まさかねえ。)も実施するとみられる、そうです。

 

宗谷岬には、むかしむかし、宗谷海峡を通過する露国艦隊を監視するため、旧帝国海軍が建設した望楼がありますが、冷戦の終結とともに、歴史上だけの存在になったかと思っており、たまに、遠くの沖合に巨大なLNG船や貨物船が行き来するのを見るだけでしたが、ひょんなところで、ここが「国境の街」であることを再認識いた次第です。

 

報道の通り,これが日本に対する挑発行為,であるとすれば,いささか,不穏当,とはいえ,国際社会では普通にあることで,むしろ,大ロシア艦隊に「挑発行為」をして頂ける(Japan passingではなく…)我が国も捨てたもんではないでしょう。

 

『紛争の歴史を見ると,相手がこちらを見くびるときが一番危険です。例えば,1990年の湾岸危機では,当時のサダム・フセイン率いるイラク政権はクウェートに攻め込んでもアメリカは反撃に乗り出さないだろと誤解した。かつてチェコ・ズデーテン地方の併合をめぐり,英仏の宥和策を勝ち取ったナチス総統ヒトラーはその後侵略的行動をエスカレートさせ,ついに第二次世界大戦を引き起こした。』(ケビン・メア著 『決断できない日本』135ページより。)[1]

 

自国のすぐ目と鼻の先を大艦隊が通過し,その沖合で大演習をおっぱじめる隣国に対して,やる気がないと「誤解」されないように,せめて,嫌みの一発でも政府には期待しておきたいところですが,望み薄,ですかねえ。

 

そういえば,「男はつらを一度なめられたら終わり」とは,某大河ドラマのセリフですが,「誤解」(なめられる)されないように,とは,ビジネス上も同じです。稚内で話を聞きますと,日本人相手だったら,絶対に応じないであろうような,詐欺的・屈辱的条件でも,目の前の「エサ」(ロシア貿易のうまみ)をちらつかされると,ホイホイ応じてしまう業者が多いそうです。ただ,儲かるのは,最初のうちだけ,当然のことながら,そのような業者の末路は哀れです。

 

「日本の細かい要求にしっかりと粘り強く応えていく先方の対応に,『この人物となら合弁事業を行っても大丈夫だ』との確信を得た」,「ロシアとの合弁事業をうまく進めるためには,お互いにオープンにしつつ,常に相手側に高度な要求をつきつけていくことである」という,日ロ合弁事業を成功させたある企業人のコメント[2]を思い出しました。

 

参照文献

[1] ケビン・メア:”決断できない日本”, 文藝春秋 (2011)

[2]岡田他:”ロシアビジネス成功の法則”,税務経理協会(2008)

 

初の北海道フェア―― サハリン【国際法務・ロシアビジネス】

 

 

本日までのところ,北海道庁のホームページには新着情報はありませんが,今日の日刊宗谷に,今月の16日から18日に,サハリン州のユジノサハリンスク市で開かれる道主催のサハリン州における『北海道フェア2011』の詳細が固まった,という記事が出ていました。

 

開催場所は,21年11月にオープンしたロシア極東地域最大といわれる複合商業施設「シティーモール」で,道産米(北海道ななつぼし)や,ラーメン,日高昆布しょうゆ,日高昆布だし,みそなどの加工食品,おなじみ,白い恋人,北海道バターキャラメル,夕張メロンゼリーなどの製菓品,のほか,寒冷地技術・製品,アウトドア用品,釣り具などを販売,宗谷管内からは,成吉思汗たれ,寿ししょうが,利尻昆布サブレ,などが販売されるそうです。筆者としても,これを「一歩」として,民間レベルでも,継続,拡大していっていただければ,と思います。

 

ロシアの消費者に何がアピールするのかは,実のところよくわからないのですが,むかし,筆者の見たアメリカでは,それこそ,巨大な物置と巨大冷蔵庫,巨大「アメ車」の存在を前提に,スーパーでは,とにかくでかいもの(牛乳とかオレンジジュース1ガロン=約4リットルとか,牛ひきにくなどは,キロ単位で,ドッグフードなども,セメント袋みたいなでかい袋に入ったもの)が,定番でした。スケールメリットを考えれば,確かに,大量購入して,冷凍してけちけち使えば,グラム単価とかはお安くすみますが,なれないと,大量に腐らせたりして,かえって不経済になります。あるいは,腐らせないように,「大量消費」にはしり,必然的に,本人も巨大化します。

 

稚内に来るロシア人は,船で来ますので,飛行機のような,厳しい荷物の重量制限はないそうです。そこで,「この棚の端から端まで」とかいう,豪快なお買い物をされるそうですが,実際に現地でも、(かつての?)アメリカのような「大量生産・大量消費社会」を前提とした消費者行動であるのかは,不勉強につき,よくわかりません。ただ,消費者が「大量生産・大量消費社会」的行動をとるであれば,相応のロットで販売してやれば,稚内-コルサコフ間定期航路の利用促進にもなります。何を売るかも大事ですが,どうやって売るかも,同じくらい重要です。

 

そういえば,先日の道新に,サハリンでは日本の存在感が急速に縮小し,かわって中韓両国のビジネスマンがどんどん契約を取っていく,という内容の記事が出ていました。なにしろ,今や,中国,韓国企業の生産力(生産物の品質)は格段に向上し,いかんせん,ビジネスのスピードが速いそうです。反面,おなじみ,石橋をたたいて渡らない日本人には,全くスピード感がなく,ビジネスにつながらないのであれば,ロシア側の立場に立てば,致し方なかろうかと思われます。「投下資本の回収の道筋が明確でない」から,二の足を踏むのもごもっと,というような趣旨のコメントも出ていましたが,回収の道筋が明確な,換言すれば,リスクのないビジネス,というのは,特に新興国市場では,明らかに論理矛盾でしょうね。新興国市場にビジネスチャンスを求める企業にとって,競争相手は,「いけいけどんどん」な中国,韓国勢です。リスクを減らしたい(できればゼロにしたい)と思っても,所詮無理,せいぜい,可能であるのは,リスクを管理すること,つまり,トラブった場合に,なるべく傷が浅いように解決できる条件と方法(手続)を事前の決めごととして明らかにしておくことくらいです。あるいは,「お先にどうぞ。」と,品よく「お譲りする」のが,「日本的美徳」なのでしょうか?

 

セミナーのお知らせ ―― 札幌商工会議所でのロシアビジネスセミナー【国際法務・ロシアビジネス】

 

 

札幌商工会議所、NPO法人ロシア極東研、公益社団法人北海道国際交流・協力総合センター(旧(社)北方圏センター)の共同開催で,「ロシアビジネスセミナー」(3回シリーズ)と題するセミナーが開催されます。

 

ロシア連邦極東地域の中でも、沿海地方、ハバロフスク地方及びサハリン州は、北海道との関わりが深く、経済面はもとより様々な交流が行なわれており,また,ウラジオストクでは2012年にAPECが開催されるなど大きな発展が見込まれます。筆者は,その第3回目,『弁護士から見たロシアビジネスの注意点』と題するセクションで,ロシア法専門家であるチェルヌーヒン・ドミトリー・アレクセーヴィッチ氏とともに,ロシア市場への市場進出をお考えの道内企業の皆様方を対象に,特に,法律的な側面についての説明と,渉外弁護士としての経験から,特に外国のパートナーとの間でビジネスを行う場合の基本的な留意点や,トラブルの発生を見越しての事前の契約上の手当てなどについての講演を行います。稚内での事例と札幌近郊でロシア市場への進出をお考えの会社さんとでは,直面する問題状況は必ずしも同一ではないかも知れませんが,「お恥ずかしながら,実は,日々こういうところで苦労しています」,という体験談は,必ずや,将来の海外進出の手助けになるものと思いますので,ふるってご参加ください。