万一の時の備えは,ただの無駄ではありません。

北海道の地震の際,稚内の停電は2日間でしたが,PCもスマホも電池切れで使えず,ガソリンスタンドも閉店,コンビニもスーパーも品物が入らず,生鮮食料品の棚は空っぽで,電力供給が再開したときは,いかに今の日本のインフラが災害に脆弱であるかを思い知った次第です。災害に対する強さ,あるいは,災害からの復旧に強いことは,社会がどこまで「無駄」という,万一のための備えを受け入れるかに依存するのかもしれません。

石狩,空知地方の一部が,わりと早くに電力復旧したのは,停止した大型火力発電所の復旧が早かったことではなく,空知地方の旧式な(効率の悪い?)発電機を再稼働したことが理由ですが,自前のディーゼル発電施設を持っている(たぶん,平時だと,時代遅れの旧式設備なのかもしれません。)道北の離島も,影響を受けませんでした。

万一の備え,というのは,いうのは簡単ですが,起きるか起きないかわからない万一の事態へ備えは,普段は,いわば無駄なコストです。

ひとたび災害が起きれば,「無駄」ではなかったことが証明されるのですが,将来のことについての予知能力でもない限り, 排除されても仕方がありません。それは,正常な経営感覚です 。

とはいえ,この無駄へ経営資源を割り当てることが,リスク管理です。無駄を否定してしまっては,身も蓋もありません。社会として,万一への備えとして,万一のことがおきなければ使われないことになる無駄,資源の浪費になりますが,という事態を受け入れることの価値を,再評価すべきでしょう。

そういえば,社会としての災害への備えは,与野党間の政争の具にされたのではたまったものではないのですが,どうも,組閣(内閣改造)と結び付けて,ことさら, 自身の得点稼ぎに結びつけようとする「ココロザシ」の低い政治家のいることは,誠に悲しい限りです。

出張の時に限って,来る。

熱帯低気圧,27日夜にも台風に変わって,28日朝に関東に最接近の由。出張の時に,来てしまいますかねえ。気温10度の稚内が,天国に見えます。

年金を「政争の具」にするな。まさしくもっともです。野党の先生方の得点稼ぎに利用されるのはごめんこうむりたいところですが,一方で,なかったことにされるのも,また,「利用されたくない」側の「政争の具」扱いですね。

正常性バイアス?

自然災害の時など,都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となるそうです。一国の大統領が,北方領土を日本に「引き渡す計画ない」と明言したのでは,常識的に,これまでの方向性いいのか,と大問題になるはずですが,国内の反応は,粘り強く交渉,とか,(G20前に)けん制,とか,実に冷静です。

過去には,ソ芬戦争や,最近ではウクライナの問題,また, 「北方領土は第2次大戦の結果、ロシア領になったことを日本側が認めない限り交渉は進まない」という外相のご発言などを見ると,かの国では,領土問題を武力により解決(武力行使により領土を獲得)することの正当性については,特段疑問視されていないようです。

それが現実,と言えば身もふたもないのですが,あからさまに口に出してしまうと,某議員のように,世間からたたかれる。たたく方が,現実に目をつぶる根拠のなき楽観主義なのか,うかつに現実を口に出した方が世の中の道理が分かっていないのか,よくわからないところではあります。

とはいえ,従前通り,粘り強く交渉,だけでは,いかにも心もとないでしょう。それでどうなるという確証もなく,そうすると,むしろ某議員の方が現実認識の上でも,その評価の上でも,説得力があるような気がいたします。

もっとも, 「ロシアの旗を降ろすのか。」,と聞かれて交渉中,などと答えたら,それこそロシアの世論から袋叩きに合うことはわかりきったことで,うかつなことはおっしゃれないでしょう。

正常化バイアスというのか,根拠なき楽観主義も困りますが, しばしば,世論の盛り上がりが対外政策の手足を縛って,結局だれも望まない方向に転がっていく自体は,どこの国でも,特に最近は,よく見られるところです。